今月のエッセイ
『理科離れと、子育てからの理科復帰』オダカ マサキ
「理科離れ」という言葉が聞かれる昨今。
小学校も理科は3年生から。
カブトムシやザリガニに触れないお子さんも多いそうです。
うちの息子二人は理科大好き、生き物大好きな子。
物心ついた頃から夏場はカブクワ、セミの採集、ザリガニ採りに明け暮れています。
僕は理科も生き物も大好きでしたが、中学校を卒業後、高校、専門学校とデザインを学び、 就職して20年。
すっかり「理科離れ」していたようです。
しかし、子供が出来てから休みのたびに、公園、川、山、海に生き物を探しに行く日々。
最初は面倒でしたが、行ってみると楽しくて。
最近は子供をダシに楽しんでいる部分も有ります。
理科美に入るまで「理科」と言う言葉と離れていましたが、生き物との触れ合いや理科への
関心が日々戻って来ているようです。
荒川沿いの用水路は息子達もお気に入りで、毎年春から秋まで何度も通う場所です。 30年前僕が小学生の頃、毎日通った思い出の場所。 数年前息子を連れて行きましたが、当時の記憶が鮮明に呼び起こされました。 変わらない河川敷の風景。
あぁ、ここの用水路に落ちて大怪我したっけ。
ここで牛の糞踏んだなぁ。
そうそう、台風の後ここで大きなナマズ獲ったんだよ。
そんな風に話しながら、息子とドジョウやフナ、ザリガニを獲る時間は、日々の仕事や父親
であることを忘れて、少年に戻れる貴重なモノです。
自転車で行ける距離にこんな場所が残っていることに感謝しつつ、この子達も同じように子
供ができた後、ここが残っていて、一緒に来られるといいな。
なんて思いながら、
「家族対抗一番大きなザリガニとった人が優勝選手権」が開催され、真剣勝負に負けたくな
い自分がいます。
本来「理科」とは、学校で教科書だけ学ぶことではなく、生活の一部として、少年の冒険心
の延長として、自然や化学の不思議を体験し、理解することなんだなぁ。
と痛感しています。
そして子育て自体が最大の理科復帰。 高度な生体の生育環境構築と、日々の観察、様々な改良改善が必須です!
今自宅でウサギ、イシガメ、ウーパールーパー、サワガニ、ギラファノコギリクワガタ、
コーンスネーク、熱帯魚、金魚、メダカ、もっと色々居そうですが、子供達と相談し、飼育
方法を調べ、飼育しながら観察をしています。
勉強や仕事、効率や節約も大事だけど、生き物を中心に、家族が丸く輪になってじっくり観
察する時間は、何物にも代えがたいです。


