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今月のエッセイ

『弟子とアシスタント』上田信



今月が私の当番とはすっかり忘れておりました。
元来、文章を書くのがニガ手で一向に書くことが浮かんできません。
そこで、最近ですが故郷の青森で新聞に載りました事をネタにします。

そもそも『マンガ道をゆく』というタイトルなのに挿絵画家の私が紹介されています。
著者の斉藤さんと知り合いなので師匠、弟子ということで記事にしましたと聞きましたが、 私見ではちょっと違います。
マンガ家さんの弟子は最初からアシスタントといった立場で、挿絵画家の弟子とははっきり違います。
マンガは私も少し描きましたが、食べてゆくには連載を持たなければいけないし、ページ数が増えてくると 締め切りが間に合わず、とりあえずマンガ家仲間、そして出版社からの手伝い、そのうち人気が出てくると 弟子にして下さいという人が出て来ますが、先生の絵をマネて描くことから始めます。
月給も出ていたそうですからアシスタントですね。
弟子の私は先生から何かあるとお小遣いを頂いてました。
兄弟子たちもそうだったし、好きな絵を屋根の下で食事付きで自由に書けるので、小松崎門下で楽しく修行させて もらいました。

追伸、私はマンガも好きでしたから、ストーリーを考えられていたらマンガ家になっていたかも。
昔、松本零士さんの所へ行ったら、私のメカ画を観て『ウチへ来て働かない?』と言われた事もありました。
当時はストーリーと絵を一緒に描けないとマンガ家とは言えなかった(現在は原作者という職種があります)。






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