そこで、エッセイにでも書こうかと思いカエルどもを眺めていたのですが、ふと、これは本当にトウキョウダル
マガエルなのかと思い調べてみました。
すると、ネット上では両者の同定について数多くの情報がありどうも簡単ではなさそうでした。
以下、少しまとめてみると。
●トノサマガエル Rana(Pelophylax)nigromaculata 英名:Black-spotted Pond Frog
・大きさ 50~95mm
・体形 トウキョウダルマガエルと比べて細身、後ろ足が長い(静止時に趾が鼓膜に達する)。
・体色 雌雄に明確な差があり、オスは、緑系で背中の中心に黄色や緑の縦筋模様が入るが、ないものもいる。
背面暗色斑紋が融合(つながっていない個体も多い)。
背面の小隆条が発達。
腹が白い。
メスは白っぽい灰褐色系に黒い斑紋が重なるように散らばる。
繁殖期のオスでは、斑紋が不明瞭になり、全体的に体色が黄色がかる。
・生息分布 仙台平野から関東平野を除いた本州、四国、九州、北海道(移入)、中国、朝鮮半島、ロシア沿海州
の南東部。
・鳴き声 グルルッグルルゲレレレッ
●トウキョウダルマガエル Rana(Pelophylax)porosa porosa 英名:Tokyo daruma pond frog
・大きさ 40~85mm
・体形 トノサマガエルと比べてずんぐり、四肢が短い(後肢は短く、静止時に趾が鼓膜に達しない)。
・体色 個体差が大きく、緑系が多いが茶褐色系もいる。
背中の真ん中にはっきりした線がある(無い個体もいる)。
背面の小隆条があまり発達しない。
背中の円形の斑紋が比較的独立している個体が多い。
・生息分布 仙台平野から関東平野。長野と新潟の一部は分布が重なる。
・鳴き声 グゲゲゲケッグゲゲゲケッ
上記の特徴を確認すると、我が家のカエルどもは外見的には。
・大きさは大50mmと小43mm。→不明(まだ未成熟かもしれない)
・細身。→トノサマガエル?(与えている餌の量に関係があるかもしれない)
・背面の小隆条が発達。→トノサマガエル?
・腹が白い。→トノサマガエル
・背中の真ん中にはっきりした線がある。→トノサマガエル?(無い個体もいるので微妙)
・背中の円形の斑紋が比較的独立している。→トウキョウダルマガエル(1年前まで)
・背面暗色斑紋が融合。→トノサマガエル(現在 不明瞭、円形の斑紋が独立してはいない)
と、なり、トノサマガエルが濃厚。
両者は且つて、ほぼ生息域が別れているとされていたが、近年では混在しているという報告も増えているようです。
我が家のカエルどもはそもそも採集地が新潟なので従来の生息域分布図でも分布が重複しているのであてになりません。
結局のところ、両者の形態はいくつか違いが見られますが、個体変異、地域個体差の範囲も広く、また交配することも
確認されているということで、色々議論はありますが、形態のみに基づいて識別するのが困難ということです。
種の同定つまりトノサマガエル、トウキョウダルマガエル、交雑個体であるかの判別は厳密にはミトコンドリアDNA
の検査ということになるのでしょうか。
まあ、飼っている分にはかわいいし、手がかからないし、一応、今後はトノサマガエルということで飼ってゆくことにしますが。
最後に、鳴き声ですが、鳴くのはオスのみとされていますが、我が家の1匹はトウキョウダルマガエルのグゲゲゲケッグゲゲゲケッ
に近いと思います。
もう1匹も時々声を出しますが、身体は小さく、いわゆる鳴嚢(鳴きぶくろ)を膨らませることなくゲゲッと短く発声します。
オスなのでしょうか?メスなのでしょうか?謎です。もしかしたらこれ(↓)のことかもしれません?
なわばりを作るオスがいる一方で、なわばりの周りに定位し、鳴き声を出さないサテライトと呼ばれるオスも存在する。
サテライトオスは、自分でなわばりを作らないかわりに、なわばりオスの鳴き声に誘われて接近してきたメスを待ち構えて横取りし、
繁殖を成功させようとする。このような忍びこみ、横取り、割り込み型の繁殖戦略をとるオスの存在は、なわばりを作る両生類、
魚類などで知られており、スニーカーと呼ばれている。
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