今月のエッセイ
2010.3.7 「私と野生動物(野鳥)」水野行雄



私は1947年、長野県木曽で生まれました。当時は農作業も機械
化が進んでおらず、もっぱら作業は「木曽馬」と「人力」でし
た。
私の祖母の実家でも囲炉裏で食事をしていると「木曽馬」がヌ
ーッと顔を出しておりました。
空が黒くなる程の野鳥の群れも見ました。木曽川は「ウグイ」
の遡上でこれも川が黒くなる程の大群でした。
私の父は戦前からの「日本野鳥の会」の会員でした。中西悟堂
氏と親交もありました。父はいつも「野鳥観察手帳」を持って
おり、毎日克明な記録を取っておりました。
父水野武雄は「野鳥が生きられない環境は人も生きる事は出来
ない」と50年も前から言っておりました。今その言葉が解る気
がしております。
旧農林省林業試験場木曽分場で「鳥獣保護研究室」で「野ネズ
ミ」等の研究をしておりました。
1970年代ベトナムで米軍が「枯葉作戦」を行なった結果、木曽
に毎年来ていた「仏法僧」という野鳥が姿を消しました。環境
問題は一国だけの問題ではない事を思い知らされました。
「シートン動物記」や小さい頃父から読んでもらった「Animal Life」
オージュボン「アメリカの鳥」等の写真を載せます。
理科美に入会させて戴き、「動物、植物」等の専門家の方々に
直接お会いする事が出来、嬉しく思っております。